ハーフだけどバイリンガルじゃないですが、何か?

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「ハーフ」という言葉を聞くと、連鎖的に「バイリンガル」と言う言葉が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか? 世間では「ハーフはみんなバイリンガル」、「自然といくつもの言葉を習得できる」といったイメージが根強くあるという印象を受けます。

特に芸能界などでは近年、ハーフの芸能人の活躍が目立ち、さらにはバイリンガル、あるいはトライリンガルといった語学に長けた人も多いです。

しかし、そんなイメージとは裏腹に、「バイリンガルじゃない」というハーフの人も多いのが事実でもあります。「ハーフ=バイリンガル」というステレオタイプ的なイメージによって、肩身が狭い、コンプレックスを感じるといった複雑な思いを持つハーフの人もいます。今回はその現状についてお伝えしたいと思います。

バイリンガルと環境

「ハーフ」と一口にいっても、生まれ育った国、環境は実に様々で多種多様です。ハーフの人で、海外と日本での生活を半々に送っていたり、日本で生まれ育っていても教育は「インターナショナルスクール」で受けたといった場合はバイリンガルとなるケースが多いような気がします。

逆に、生まれた時から日本あるいは海外で育ち、学校も日本または現地校に通っていた場合は、日本語のみ、現地語のみ話せるといったケースです。もちろん、言語の習得の速度や能力には個人差があるため、一概に言い切ることはできません。それでも、例えば、ヨーロッパのスイスや東南アジアのシンガポールの例を見ると、これらの国では複数の言語が「公用語」とされ、学校での教育も「多言語」で行われています。こうした点を見てもやはり、家庭や学校での、言語環境は子どもの成長に大きな影響を与えていると言えます。

ハーフだけど二ヶ国語は話せない

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先述で「最近では芸能人でハーフでバイリンガルの人も増えている」ということを書きましたが、やはり、こちらも一括りに全てのハーフの芸能人の方が「バイリンガル」という訳ではありません。

ハーフタレントの先がけとして子役時代から現在まで活躍を続けるウエンツ瑛士さん。ドイツ系アメリカ人父と日本人の母を持ち、東京で生まれ育ちました。日本離れした外見や名前からもハーフであることは容易にわかるため、「きっと英語も堪能なんだろう。」と思う人も多いかも知れませんが、ウエンツさんは英語を話せないとのこと。しかし、これには両親の考えがあったそうです。それは、ウエンツさんのご両親は、日本に定住し、日本国籍を持つ息子にはきちんと日本語を身に付けて欲しいという思いから敢えてバイリンガル教育を行わず、日本で学校生活を送ったウエンツさんは日本語が母国語となった訳です。

そんなウエンツさんは、2014年にあるテレビ番組で近年、小学校からの早期化が叫ばれている「英語教育」についての懸念を率直に語っています。盛んに「英語を」と言う現在の風潮に対して「子どもにとって『興味を持て』と言われること程、『興味を持てない』」と語り、また、「(英語を早くから学ぶことによって)可能性が広がることもある反面、何かが奪われるリスクもある」との持論を展開しました。

私は、実際にこの番組をリアルタイムでは見ていませんが、彼のこの発言をネットで見て行くうちに、彼の考えに同意しました。私自身もハーフの子どもを育児中でありますが、長男と次男で言語習得に対する関心や速度、能力が異なることを間近で実感しています。
長男は小学校低学年の頃に日本での学校生活の経験があったため、高学年になった現在でも日本語に問題はありません。反面、現在、幼稚園生で次男は日本語は相手の言っていることは理解できるものの、自分から言葉を発することは苦手です。

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しかし、私はどちらに対しても「日本語を教え込むことに無理はさせない」という考えがあります。これは、子どもたちにとって「バイリンガルになる」ことよりも、今の生活に於いてきちんと学習や学校、幼稚園で意思の疎通ができ、生活が送れることが重要だ
と考えているからです。日本語が現在のところ弱い次男についても、全く理解ができない訳ではなく、年齢と共に本人が本当に関心や興味を持った時でもいいのではないかと思っています。

まとめ

1.ハーフだからと言って全てがバイリンガルである訳ではない。

2.生まれ育った場所、教育環境などによって大きく左右される。

3.海外と日本を行き来しているよりも、日本または片方の親の母国などで定住し、現地の学校に通った場合、言語(母国語)が固定化されやすい。

4.言語能力や習得の速度は個人差や環境によるとことが大きいので、バイリンガルでないことに対してコンプレックスなどを感じる必要はなく、親も子どもに強要はすべきでない。

ハーフの方、現在、ハーフを育てている親御さんの中には、「バイリンガルじゃない」ことについて、焦りや引け目を感じている方もいるかも知れません。しかし、それは、世間や周りのイメージに流されているだけとも言え、マイナスに感じることはないと思います。

言語は本人のやる気や関心があればいつでも始めることができると思いますし、大事なことは自分が今いる場所で「自分自身を確立させているか?」ということではないでしょうか?

(コラム:Mさん●韓国在住、日本と韓国のハーフを育てるママさんライター)

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