最近は日本でも多くなってきたハーフと呼ばれる人たち。
母国の異なる両親を持つ人たちのことを指しますが、実はハーフと呼ぶのは日本独特の表現です。
カナダではmixedという単語と使ったり、具体的に親の出身国を述べたりして表現することが多いです。
ハーフが住みやすい国、カナダ
移民の多いカナダでは、純粋なカナダ人の人口よりも、ハーフやクォーターの方がはるかに多く存在します。多様性を重視する国で、異文化も柔軟に受け入れる傾向にありますし、比較的新しく、伝統のあまりない国ですから、新しいものを取り入れることにおいても先進的です。
小さな島国である日本では、どうしても排他的になりがちなため、ハーフの子供がいじめの対象になることも多いようですが、カナダでハーフであることそのものがいじめの原因になるのはあまりない気がします。
もちろん、カナダでもいじめの問題は常にありますが、クラスにハーフが一人だけ、なんてことはまずないので、ハーフだからいじめにあうかもという心配はあまりしなくても大丈夫だと思います。
ハーフのアイデンティティとは
「ハーフは日本で生まれ育っていても、日本人に100%は受け入れられてもらえない。でも、かといって、日本人じゃない親の母国へ行っても、そこで生まれ育ったわけじゃないから外国人扱いされてしまう。結局、自分は何人なんだという迷路から抜け出せなくなってしまう。」というハーフのアイデンティティ問題を聞いたことがあります。
本人は産まれたときから日本国籍を所有し、日本人と思っているのに、外見の違いから同じようには受け入れてもらえず、居場所がないという切実な悩みです。
以前、同じような経験をしたことがあるというお友達の話を聞いたことがあります。彼女の場合は、ハーフではなく在日韓国人として日本で生まれ育ったのですが、彼女も日本で同じような感覚でいたと言います。
家族でカナダに移民された背景にはそのような経験や、子供たちのこれからを考えてのことだったようですが、彼女が「ハーフの子はみんなカナダに来たら、すごく生きやすいと思う」と言っていたのが印象的でした。
バンクーバーにおける日本人コミュニティ
これらの土地柄を踏まえ、カナダでは様々な異国のコミュニティも充実していています。特にバンクーバーには日系移民の歴史があり、現在も多くの日本人が住んでいるため、日本語学校や日系コミュニティのNPOも存在します。
それらが主催する季節のイベントや、文化交流の場があり、日本人ハーフの子供たちは、日本の伝統文化をカナダの土地でも体験することができます。ただ、やはり日本の本格的なものに比べると規模が小さかったり、限定的にはなってしまいますし、なんちゃって感が否めない場合もあります。
それでも、自分のアイデンティティの一部として、日本の文化を全く知らないよりは経験しておいてほしいと思う日本人の親の方も多いようです。
(カナダ在住Aさん:カナダ人のご主人がいる海外在住ライター)
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