ネパールの結婚式ってどんななの?ってよく聞かれますが、一言で説明するのはとっても難しいのです。だって、民族、宗教、住んでいる地域によって全然違ったりするのですから。
その上、国際結婚となったら、さて、何式でやったものやら。
でも、いずれにしても日本よりも時間も手間もかかるのだけは確かです。
1日がかりは短い方、長いと1週間も続く儀式

ネパールの8割近くはヒンズー教徒ではないかと思います。うちの主人の家もヒンズー教ですが、ヒンズー教式の結婚式は、まったくもって長いです。
民族やカーストによって違うのですが、典型的な例を見てみると、花婿側が花嫁の家にお迎えに行くのに1日(互いの家の距離により差あり)。そこで結婚の儀式をすること2時間前後、その後花嫁家での宴会となり、2日目が終了。
続いて3日目、花嫁は 泣きながら(うつむいて涙を流すのがお決まりです)実家に別れを告げ、花婿の家へと向かいます。
花婿の家では、親戚ご近所総出の女性グループの歌と踊りで迎えられ、4日目に披露宴。やれやれこれで終わりかと思いきや、5日目には嫁は実家へ帰ってしまい(これも儀式の一つです)、6日目に再び花婿と親族が迎えに行くとかなんとか…。
マジか!長いといっても限度があるぞ!
でも、結婚式って本当に、人生の晴れ舞台なのです、ネパールでは。が、これを自分もやるかどうかは別問題。国際結婚の場合は特に、外国人側がこの長い儀式に耐えられるかどうか、忍耐力テストのような長さですから。
披露宴は朝から晩まで、招待客は500人以上

中でも一番長い一日は、披露宴。披露宴の招待客が500人以上なんてことはざらで、6〜8時間続くのも当たり前です。
なぜ、500人も呼ぶの?と思いますが、ネパールって親戚付き合いが濃いのです。兄弟一家もちろん、いとこ一家、はとこ一家、叔父さん叔母さん一家なんて風に呼んでいくと200人は軽く超えてしまいます。ご近所さん付き合いもディープで、ご近所さん御一家も当然招待され、そこでまた100人以上、さらに、職場の関係者、友人などなども家族全員招待なので、総勢500人を超えるのも当然です。
そんなわけで、食事はビュッフェ形式で、立食タイプ。花婿と花嫁はひな壇に座ったままで、招待客が入れ替わり立ち替わりやってきては、新婚夫婦に祝福のあいさつをし、各々ビュッフェの食事をとるというスタイルです。
会場には大音量で音楽がかけられているので、みんな勝手に食べて踊って帰っていきます。
台所結婚式はヨーグルトの誓いで

さてさて、そんな結婚式を私がやったかというと、いやいやバツイチ外国人女としては、ごめん、勘弁してください、というしかありません。
そんなわけで、二人だけのささやかな儀式は台所に誓いをたてるという非常にシンプルなものでした。ヒンズー教的には、台所=かまど=火の神様のいるところらしく、台所は家の中でも最も神聖な場所。
ネパールの儀式に欠かせないティカ(額につけるもの)も民族によって違い、赤い粉や、赤い粉と米を混ぜたものが主流ですが、うちはヨーグルトに米を混ぜた白いティカを使います。
台所にヨーグルトティカをつけ、お互いの額にもそれをつけ、台所に誓いをたてたささやかな式でした。
国際結婚組の場合は、私みたいなシンプル派か、赤いサリーでばっちり決めてネパール式にきっちりやる派に分かれると思います。
ネパール式にやるのも素敵とは思うのですが、ヨーグルトで誓った台所結婚式は私にとって大切な思い出になっています。
(ネパール在住Cさん:ネパール人のご主人と高校生のハーフの女の子がいる海外在住ライター)
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