私の夫はアメリカ人。仕事は、ALT(外国語指導助手)です。アメリカから、日本の小学校や中学校で英語を教えるために来日しました。今、日本在住4年目、私と国際結婚して3年目になるところです。
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ALT(外国語指導助手)とは?
アメリカ人夫の職業はALT(外国語指導助手)です。ALTとは、Assistant Language Teacherの略で、小学校や中学校、高校に派遣され、子供達に英語を教えます。夫は、市内の小学校と中学校に行っています。
ALT(外国語指導助手)になるには、特別な資格は必要ないようで、英語が母国語または公用語の国出身、現地の大学卒、語学教育に熱意があれば良いようです。契約内容などはその地域によって多少異なるようですが、私たちが住む地域での夫の雇用形態としては、最長3年契約で、更新は1回のみ。なので、最長6年の勤務が可能となっています。
ALT(外国語指導助手)の給与もそれぞれの契約で多少異なるとは思いますが、夫の場合は、額面で28万円ほど、手取りで23万円ほどになります。学校までの交通費は自己負担です。幸いにも、担当校へは自転車で通勤可能なため、余分な交通費がかからないのが救いです。
将来的な職の心配
今のところ、ALT(外国語指導助手)として、ずっと働き続けられないことになっています。現状では、最長で6年の雇用で、その後の更新は不可なのです。夫は、すでに4年目となっていますので、残りの期間は2年半くらいです。
しかしながら、日本の英語教育は変化してきています。2020年には、小学校3年生からの英語教育スタートとなり、中学以上では英語のみの英語の授業となっていくようです。その変化に付随して、ALT(外国語指導助手)の需要も増えているようなのです。
実際に、私たちが住む地域の近くの別の地域では、ALT(外国語指導助手)の常勤雇用がスタートしています。契約年数に期限がなくなり(定年はあると思います)、何も問題が起きなければ、安心して日本での生活が続けられるようになるのです。
夫としては、今住む地域もこのような制度が開始して、雇用期間の延長ができるようになることを第一に望んでいます。現状の契約が切れるまでに制度が変われば良いのですが、実際はどうなのでしょう?
日本人であっても、いつクビになるか分からない世の中です。大企業であっても、突然倒産のようなこともあり得ます。さらに外国人となると、もっと厳しい雇用環境であることは間違いありません。
ALT(外国語指導助手)の母国での評価
夫は母国アメリカの大学を卒業後、現地企業で4年間働いたのちに日本へALT(外国語指導助手)として働きにきました。海外で仕事がしてみたい、日本に興味ある、という理由で、ALT(外国語指導助手)の職を見つけて来日したのです。
まずは契約の3年間はALT(外国語指導助手)の仕事をしよう。たぶん、それ以上の計画も何もないようでした。ましてや、来日して1年ほどで日本人女性と結婚するとは、思いもよらなかったと思います。私もそうですが。
そして、今のところ、日本での生活を継続する予定ではありますが、今後、アメリカに戻る可能性もなくはないようです。そこで気になるのは、アメリカでのALT(外国語指導助手)として職歴の評価です。
夫に聞いてみたところ、特別な評価にはつながらない、とのこと。むしろ、マイナスに近い評価になることもあるようです。ネットなどで情報収集してみても、「海外に遊びに行っていた」「海外で英語を使ってちょっとアルバイトをしてきた」というような評価というのも見かけましたので、きっとその程度なのでしょう。
その場合、もしアメリカに戻ったとすると、仕事はすんなり見つかるのでしょうか? 非常に気になるところでもあります。
外国人夫が日本で仕事を見つけるには?
来日後にできた夫の友達の中には、同じように日本人女性と結婚している外国人が複数います。ALT(外国語指導助手)の仕事を辞めて、一般企業に就職をしたり、英語学校の講師になったりと転職をしている人もいます。
夫も、他の職業への転職を考えたこともありました。求職サイトに登録したり、面接に行ったり、ハローワークにも行ったりしました。でも、なかなか難しいのが現状です。というのは、一番のネックが、日本語力の低さなのです。
ALT(外国語指導助手)として日本で働くには、日本語力のレベルは求められません。実際に、夫はほとんど日本語が話せない状態で来日しています。来日後、特に私と出会ってから日本語を勉強するようにはなりましたが、日本語学校などに通う訳でもなく、ほぼ独学なのです。そのため、一般企業で日本人に混じって働くとなると、非常に困難が多く、実際に就職するとなると厳しいのです。
同じALT(外国語指導助手)として働く外国人の中でも、大学で日本語を専攻していたり、もともと日本語に興味あって来日後積極的に日本語を学んでいたりする人の場合は、もっと別の道が拓けます。日本人女性と結婚して転職を試みても、日本語ができることにより、選択肢が広がることは間違いないです。
皿洗いなんてやりたくない
もし、夫がALT(外国語指導助手)として働き続けられない場合、その後の職はどうなるのでしょう? 妻である私も不安はあります。当の本人はもっと大きな不安とプレッシャーがあるはずです。
日本語力が低く、特別な職歴がない場合、働き口と言ったらレストランの皿洗い程度のことではないでしょうか? 工場や工事現場で働くといっても、やはり最低限の日本語ができなければ、職務を全うできません。
ですが、アメリカの大学を卒業している夫にしてみれば、「皿洗いなんてやりたくない」となるのです。そりゃそうですね。学歴がすべてではありませんが、それなりにプライドを持ち合わせています。日本で皿洗いをして生計を立てるくらいならば、アメリカに戻って就職活動をした方がマシ、となるのです。
いくら、本国アメリカで、ALT(外国語指導助手)としての職歴がそれほど評価されないとしても、母国で大卒であればそれなりの職は見つかるはずです。
とはいっても、今のところ、日本での生活を続けたいようですし、私としても、アメリカでの生活には消極的です。
外国人夫の転職のために
ALT(外国語指導助手)として勤務を続けられても、あと2年半。その後はどう制度が変わるかも分からず、契約続行を100%期待することは無理です。そのため、ALT(外国語指導助手)以外の職への転職は考えざるを得ません。
日本の一般企業への転職となると、日本語力は必要です。けれど、30代となった夫にとって、今から2年ほどで働きながらビジネスレベルの日本語を習得することは、非常に難度の高いことです。
日本語力をそれほど問われない仕事もないことはないです。ただ、納得できる職に出合えるかどうかはやはりなかなか難しいです。
夫は、あらゆる可能性を模索して、考えているところです。まだ結論は出ていませんが、きっと何かしらの方法を見つけるのでしょう。
最後に
外国人夫の就職、転職は簡単なことではないと思います。
特に、ALT(外国語指導助手)のように、日本語力も問われずに、母国語である英語のみで来てしまった場合、簡単に他の職に転職することは難易度が高いですし、ALT(外国語指導助手)を続けるにも期限があることも多いです。
夫は今、次の道を模索中ではありますが、今の時代、インターネットを利用すれば、ありとあらゆる道が拓けます。夫はそこでの可能性を考えているようです。
(日本在住Eさん:アメリカ人のご主人とハーフのお子さんがいるライター)
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