日本在住、アメリカ人と国際結婚をしています。私たち夫婦の会話は、出会ってからずっと、ほとんど英語です。日本に住みながらも、家では英語で過ごすという、ある意味新鮮な生活を過ごしています。
とはいっても、私の英語力は決してネイティブレベルな訳ではありません。一応、大学の英文科を出ていて、学生時代にアメリカへの2ケ月ほどの留学経験があります。でも、それだけの経験です。一般企業で仕事をしていますが、業務上で英語を使うことは一切ありませんし、日常生活で使うことも、彼と出会って結婚するまでなかったです。
夫との出会いは英語を話したかったから
夫と出会うきっかけとなったのは、私が英語を話したい、と思ったからです。
元々、中学生くらいからすごく英語が好きで、将来は英語を使って仕事をしたい、通訳とかバンバンやりたい、と思っていたんです。けれど、現実はどれほど甘くもなく、帰国子女でもなければ、長い留学経験がある訳でもない私には、それはそれは難しい道のりで、普通の英文科を卒業するだけでいっぱいいっぱいでした。
それでも、徐々にそういう現実の厳しさを実感していったので、それ自体が大きな挫折とか、夢破れたり、みたいな大きなショックはなく、それはそれで幼い頃の夢であって、現実的には普通に就職活動をして、普通の一般企業に入って、普通に仕事をしていました。
業務中に英語を使用することはまったくなく、通訳になりたかったなんてちょっと恥ずかしくて言えないくらいの英語レベルで止まってしまっていました。唯一英語を使うのは、年に一回行くか行かないかの海外旅行、それくらいでした。
そんな何の変化もないような毎日を過ごす中で、何となく、「英語使いたいな、話したいな」という気持ちは常に持ち合わせていて、そういうチャンスを狙ってはいたのです。だからといって、何かアクションを起こしていたわけでもないのですが、何となくウズウズはしていました。
ある日、友達の一人から、「ALT(外国語指導助手)の友達が出来たから、一緒に飲み行かない?英語話せるよ」と誘われたんです。二つ返事で引き受けて、行ってみたら夫がいた、という訳なんです。
夫も英語に飢えていた
出会った頃の夫の仕事も、今と同じでALT(外国語指導助手)です。小学校や中学校で、子供達に英語を教えています。私たちが出会った時には、夫が来日してまだ2ヶ月くらいだったと思います。日本での生活や新しいALT(外国語指導助手)という仕事にちょっと疲れを感じていて、夫自身がホームシックのようでもありました。
ALT(外国語指導助手)の仲間と英語で会話をすることはあっても、日常の生活や仕事の場ではなかなか英語を話す機会がありません。といっても、日本語が流暢な訳でもなく、身振り手振りやスマホの翻訳機能などでどうにか生活できているものの、英語に飢えている状態でもありました。
当時の学校の先生とは英語で会話をすることもなかなか難しかったようです。英語教師といっても、全員が外国人とスムーズに会話できる訳でもないんだそうです。変に身構えてしまう先生もいたり、あえて会話をしないようにしている先生もいたとか。中には、頻繁に話しかけてくる先生がいて、対応に困っていると、「私の英語はイギリス英語だから、アメリカ人のあなたには分からないのかもしれないですね」というようなことを言われたとか。
当時、そんな話を聞いた私も驚きましたけど、外国人の彼にとってはいろいろとストレスの元だったようです。そこで私と出会って、思い切り英語で会話ができたことが、すごく嬉しくて、スッキリした、と言ってました。私も久々に外国人と会話ができて、とても楽しかったんですよね。そして、SNSを通して交流をしたり、二人で会ったりと、自然と一緒にいる時間が増えていって、何だかいつの間にか結婚しちゃった、という感じでした。
今では、夫も日本の生活や仕事環境に大分慣れてきて、多少の日本語を交えながらも、簡単な単語と身振り手振りなどで一般の教師とも交流ができているようです。
二人の会話は英語がメイン
出会った時からお互い英語で会話をしてきましたが、そのスタイルは今でもあまり変わらないです。元々、英語を話したい私と、英語に飢えていた夫なので、自宅で英語で思い切り会話ができるというのは非常に良い時間なのです。私の英語も、彼と出会ってから飛躍的に伸びました。まだまだ分からない単語もありますし、彼が言うことが一度で伝わらないこともあります。でも、言いたいことが分かるので、そんなに大きな弊害のようなものはないんです。
もちろん、日本語での会話もあります。特に、彼は来日後少しずつ日本語を学習していますので、一時期は、二人の会話を日本語だけにしたこともあるんです。でもそうすると、お互いにすごくストレスになってしまって、会話が続かないんです。今は、会話の中にちょっとずつ自然に日本語が入るので、私たち二人以外理解できない会話になっているかもしれませんが、私たちにとっては何の不思議もない普通の会話スタイルになっています。
子供との会話は日本語と英語
子供ができてからは、徹底して、私は日本語で話しかけて、夫は英語で話しかけるようにしています。3人揃うと英語メインになります。日中は私と子供だけで過ごすので、その時だけは日本語だけを使うようにしています。
今、子供は2歳で少しずつ会話が増えてきていますが、私には日本語で、夫には英語で会話することが多いです。不思議と、子供の中では混乱していないようです。ただ、これからどんどん口数が増えていくにつれて、どのように教育をしていくかは課題でもあります。
ハーフを持つ先輩ママの話だと、幼稚園にあがると一気に日本語力が上がると言います。海外に住んでいる場合は、幼稚園や学校で現地の言葉を話すようになるので、家庭で徹底的に日本語で過ごすようにすればバイリンガルになる確率が高いようですが、私のように日本に住んでいると自然と日本語優位になってしまうようです。
子供の母国語が日本語優位になって、英語は第二母国語のようになれれば良いですが、それもなかなか難しそうです。それでも、今の夫の日本語力はそれほど高くはないので、子供が日本語だけで英語を一切話さないとなっても困りますし、子供が今後どうなっていくかまだ予想もつかない今は、ちょっと不安でもあります。
理想は、母国語は日本語になっても、自宅では英語で家族の会話ができる状態をどんどん伸ばしていきたいです。それには、親の環境つくりが大切そうです。頑張らないと。
最後に
国際結婚につきものなのは、語学力、コミュニケーション手段の悩みでもあります。私たちは、家庭では英語メインで会話をしていますが、子供が大きくなるにつれて、この状態をどこまで続けていけるか、子供自身が受け入れて拒否反応を起こすことはないか、少し不安でもあります。
また、今、日本に住んでいる以上、母国語は日本語になるのは仕方ないですし、幼稚園以降は日本語を使う機会がグンと増える分、日本語力が圧倒的に強くなるとは思うのですが、英語力も家族の会話ができるくらいには保持していきたいんですよね。
それには、親としてどういう環境つくりをしていくのが良いか、大きな課題でもあります。ハーフだからといって、何もせずにバイリンガルに育ったら本当に嬉しいですけど、そんな都合よくはいかないですよね。
(日本在住Eさん:アメリカ人のご主人とハーフのお子さんがいるライター)
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