最近、蓮舫氏の「二重国籍問題」が社会をにぎわせたのは皆さんも記憶に新しいところかと思います。
ご存知のように蓮舫氏は父親が台湾人、母親が日本のハーフであり、この問題の表面化によってハーフの国籍や二重国籍について注目が集まっています。
国際結婚をした夫婦の間に生まれた子どもたちはハーフとして国籍の問題は切っても切り離せない関係にあります。
私にもハーフの子どもがいてそれぞれ、日本と韓国の国籍を持っています。
生まれてから現在に至るまで国籍のことで何か不都合や問題があったということはありません。
よって、子どもの頃の国籍の問題とはさほど大きくはないという実感が私の中ではありますが、反面、国籍の問題は年齢と共に切実になってくるという現状もあります。
男子に立ちはだかる兵役と国籍の問題
韓国の場合、「二重国籍」を持つハーフの子ども…すなわち男子にとって切り離せないのが「兵役」の問題です。
韓国では18歳以上の男性に24ヶ月(2年)の兵役が義務付けられています。かつてに比べると兵役の期間も大幅に短縮され、軍から家庭への対応も柔軟になっている部分も見受けられます。
しかし、兵役期間中は学生であれば学校を休学し、芸能人やスポーツ選手であっても全ての活動を中断して兵役に就かなくてはなりません。
このため、兵役に行く時期を決めるのはとても重要で難しい問題でもあります。
また、度々、兵役中の事故や内部でのいじめといったネガティブな問題が明るみになることによって子どもを兵役に送ることに抵抗や不安を感じる親も多いこと、芸能人やスポーツ選手が兵役を逃れるために不正をして問題になったけケースもあります。
前述のように日本では「二重国籍」が認められていませんが、韓国では法律が改正され、「二重国籍」が認められるようになり、特に男子に至っては「兵役を終えた上で」という条件がついています。
親の理想や考えよりも子どもの思いを優先して
やはり、正直な親心としてはハーフであり、二重国籍を持つなら、日本との関わりを持って欲しい、子どもが国籍のことで不利になったりしないで欲しいという思いや悩みは尽きないことと思います。私自身にもそんな思いはやはりあります。
それでも、一番大事なことは「子ども自身の気持ち」です。
つまり、二重国籍であり、バイリンガルで両親ぞれぞれの母国語が堪能であったとしても、やはり、子どもが生まれて育ってきた国に愛着が根付くことは自然なことであり、また、子どもがこの先、「どこで生活していくか?」によって国籍選択にあたっての答えは見えてくると思います。
(韓国在住Mさん:韓国人のご主人とハーフのお子さんがいる海外在住ライター)
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