中国に住み始めて10年以上となりました。
ですが、言葉に関しては不便を感じることが少なくないです。中国語(北京語)の他に、上海人は上海語を話します。
普段の会話は大丈夫ですが、込み入った話となるとまだまだ大変です。
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私の中国語力
一般的に中国語といえば、北京語を指します。ですが、上海人は上海語を話すのです。ほとんどの上海人は北京語も話せますから、普段は上海語、上海人以外とは北京語を使っています。
私は、中国に来るまでほとんど中国語が話せませんでした。大学の第二外国語で中国語を履修していた過去はありますが、「ニーハオ(こんにちは)」「シェシェ(ありがとう)」くらいしか頭の中に残っていなかったです。笑
また、中国に駐在員として滞在している間は、仕事は基本日本語でまったく問題がなかったんです。社内の中国人は全員日本語が話せました。取引先として付き合う方々もほとんど日本人。一部中国人でも、みなさん日本語で対応してくださっていました。なので、中国には住んでいても、日本語で用が足りていたのです。
プライベートであっても、食事にしても、マッサージにしても、簡単な日本語が通じたり、メニューに日本語が表記されていたりしました。徐々に簡単な中国語も覚えていきましたけど、会話となると難しかったです。
中国語教室に通うようになったのは、中国に来て半年が過ぎた頃です。週に2回、仕事の後に通っていました。やはり、中国に住むからには中国語くらい話せるようにならないと、という思いからです。
もともと語学は苦手なのですが、中国人との交流も積極的に持つようになって、少しずつ中国語も上達していきました。
夫との会話は日本語がメイン
夫は出会った時から日本語が上手でした。大学で日本語を専攻していたことと、当時は日系企業で日本語を使って仕事をしていたからです。なので、甘えて、ほとんど日本語で会話をしていました。
それと、食事をしたり遊びに行ったり、一緒にいる時は、すべて夫が対応してくれていましたので、私自身が中国語を使う機会はほとんどありませんでした。
そのまま、結婚をしても、夫婦の会話は日本語がメインの生活を続けています。今はどちらかというと、夫が日本語を話していたいようです。使わないと忘れてしまうし、子供には日本語を話せるようになって欲しいから、という思いもあって、家庭ではほとんど日本語です。
そんな感じなので、私の中国語力はそれほど高くなくても困らない生活となっているのです。苦笑
上海に住むからには上海語が必要?
それから、上海人は上海語を話します。夫と義父母の会話も上海語です。上海人同士であれば上海語での会話が当たり前です。
この上海語、日本語でいう関西弁のような位置づけとは違うのです。外国語のようなものです。地方出身の中国人には聞き取れないもののようで、仕事上などで、上海人同士がかたまって上海語で会話をしていると、地方出身者ともめてしまうこともよくあります。
ですから、私にとっても上海語はまた違う言語であって、初めはまったく意味が分かりませんでした。普通語(北京語)であれば、少しずつ聞き取れていたものが、上海語だとさっぱり。義父母や親戚も、上海語での会話ですので、私一人ポツンという状態でもありました。
だからといって、上海に住むからには上海語が必要かと聞かれれば、別に話せなくても暮らすことは可能だと思います。中国語が話せなくても生活はできますしね。笑
子供との生活では語学力がネックになることも
独身時代や結婚して夫婦二人の生活の時は、日本語だけの生活でも問題はなかったのです。義父母との会話では、簡単な普通語(北京語)でどうにかなっていました。難しい話になると互いに理解ができないので、うわべだけの付き合いというか、それが心地良いものでした。極端な話、隣で上海語で悪口を言われてもまったく気づかないのですから。笑
ですが、子供ができてからは状況が変わっていきました。病院に行く機会が増え、学校の問題も出てきました。
独身時代は、会社加入の医療保険で日本語可能な医師にかかれば良かったのですが(といっても1回しかお世話になりませんでしたが)、中国人男性と結婚して子供ができてからは、ローカル病院です。中国語ができなければ診てもらうこともできないし、診察結果も分かりません。
こういう時は今でも、夫もしくは義両親に頼り切りです。たぶん、子供の風邪くらいだったら自分一人でも対処できると思うのですが、大体、夫か義父母の誰かがついてきてくれるし、先回りして対応されてしまうので、私の出番がない、という感じです。こういう時は心地の悪さを感じないこともないですが、自分は役立たないんだから仕方ない、と諦めています。
同じように中国人男性と結婚した日本人女性で、生活のほとんどを彼女一人で中国語を駆使して頑張っている友達が何人もいますが、語学力とその行動力にはいつも感動すらします。私もやらなくてはいけないのですが、なかなか…
将来もずっと上海で暮らす?
言葉の他、もう一つの悩みは将来です。今のところ、上海での生活に不満はなく、居心地の良いものだと思います。
でも、この10年の間に、日本に無性に帰りたくなったこともありますし、実際に2ヶ月ほど帰ったこともあります。けれども、今の私の居場所は上海だと思いますし、家族も上海にいます。今は上海で暮らすべきなんだと思っています。
ですが、将来を考えると、まだしっかりとした決心ができていません。このまま上海に骨をうずめる覚悟というのは全然できていないですね。
以前、上海で暮らす70代の日本人女性とお会いしたことがありました。同じように中国人男性と国際結婚した日本人女性です。彼女は、50年近く上海で暮らしており、上海語も現地人と変わりません。むしろ、日本語の方が不自由なほどです。見た目も、日本人と分からないほど、中国の貴婦人のようでした。
30年後、私も彼女のように上海で暮らしているのか、まだ想像もできません。いつかは日本に戻りたい、家族で日本に住むことはできないのかな、とぼんやり考えている自分がいます。笑
(中国在住Rさん:中国人のご主人とハーフのお子さんがいる海外在住ライター)
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