中国で出産するメリットとデメリットってどういうことがあるでしょうか?
私は一人目を中国、二人目を日本で出産しました。二人とも日本で出産しても良かったな、とか、二人目も中国で出産するということは考えられなかったな、とか、いろいろと思うことがあります。
とはいえ、中国で出産するメリットが全くない、という訳でもないですし、中国で出産した経験も悪くはなかったな、と思います。
そこで、中国で出産するメリットとデメリットついてお伝えします。
Contents
中国で出産するメリット
中国で出産するメリットですが、一見何もないように思いますが、きちんとあります!
・夫婦で子育てに関われる
・お手伝いさんを雇える
・優しい環境で子育てできる
具体的に説明していきたいと思います。
中国国籍を保有できる
日本と中国のハーフの場合、中国で出産する最大のメリットは、「中国国籍を保有できる」、これに尽きるでしょう。
特に、中国で生活を続けていくならば、中国国籍を保有しているかどうかは非常に大きなポイント となります。国際結婚の場合は、片親が中国人であっても、海外で出産すれば中国国籍は保有できませんから、中国で出産するかどうかが大変重要となります。
中国で出産して中国国籍を保有した場合、日本国籍は留保 することができます。実質、二重国籍状態となり、22歳までにどちらかを選択することになります。
我が家の場合も、一人目の出産で中国を選んだのは、やはり、中国国籍を保有するためでした。当時は、中国で生活を続けていく可能性もありましたから、中国国籍は持っておきたいと思っていたのです。
日本に移住してしまった今となっては、別に中国国籍がなくてもきっと困らないだろうな、とは思うんですけどね。母国語も日本語で、ドップリと日本人として生活をしている子が、あえて、中国国籍を選択するとは思えませんし。
とはいえ、日中ハーフとして生まれた子の権利の一つとして、国籍を選ぶことができる、というのは良いのかな、と思います。
ちなみに、次女は日本で生まれたので中国国籍は保有しておらず、日本国籍のみとなります。まあ、厳密に言うと、片親が中国人ならば、中国国籍は保有していることになるとも言われているんですけどね。ビザを取得する時に常に問題になるところです。
夫婦で子育てに関われる
中国在住の場合、中国で出産することで、夫婦で子育てに関わることができます。
もし日本に里帰りしての出産で、旦那様が多忙で来日することができない、となれば、出産後数ヶ月離れ離れで、赤ちゃん時期を家族揃って一緒に過ごすことができずに終わってしまうこともあります。
女性の場合は、妊娠して、徐々に大きくなるお腹とともに母性が生まれてくるものですが、男性は実際に生まれてから徐々に父性が生まれるようです。そのため、出産後に夫婦で子育てできるということは非常に大切なことでもあります。
お手伝いさんを雇える
日本では産後に限らず、お手伝いを雇うという習慣は一般的にはありません。ですが、中国では、割と普通にお手伝いさんを雇いますし、産後のお世話専門のお手伝いさんもいます。「月嫂(ユエサオ)」と言います。
月嫂(ユエサオ)の仕事としては、赤ちゃんのお世話と産後ママのお世話があります。赤ちゃん向けには、おむつ交換、ミルク、お風呂、洗濯などがあり、産後ママ向けには食事の支度、母乳ケア、授乳サポート、産褥期のサポートなどがあります。
中国では、産後1ヶ月は坐月子(ツオユエズ)と言って、何もせずにベッドの上で過ごすように言われています。そのため、中国では、両親に頼れない人などは、月嫂(ユエサオ)を依頼することが多いのです。
優しい環境で子育てできる
基本的に、中国では妊婦や赤ちゃんに対して非常に優しいです。
妊婦が電車やバスに乗ると、誰かしらすぐに席を譲ってくれますし、赤ちゃんが泣いていても温かい目で見守ってくれます。日本と比べると、しんどい時期にまわりの優しさに救われる、ということが多々あります。
ただし、上海や北京などの大都市の通勤ラッシュの時間帯は、地下鉄もバスも、お疲れのサラリーマンで満席状態ですので、見て見ぬふり、という若者も多くなっています。ですから、妊婦だから、赤ちゃん連れだから、と席を譲ってもらって当然というのは通用しませんね。
中国で出産するデメリット
中国で出産するデメリットも当然あります。むしろ、人によってはデメリットの方が多く感じるかもしれませんね。
・言葉の問題
・医療レベルの問題
・産後すぐに手伝いが必要
・実家(実両親)に頼れない
・嫌日家の医療従事者による嫌がらせ
環境の違い
中国は日本ではありませんので、産院などの妊娠・出産に関することでも、環境の違いに戸惑うことが出てきます。
私が中国での出産で一番困ったのは、産院での診察で、男性入室禁止、だったことです。私は総合病院で出産したのですが、産科は男性入室禁止で、待合室で待つしかないのです。
しかしながら、私は外国人で、先生は中国人。診察は中国語。私だけの診察では不安なため、検診の度に、夫は事情を説明して診察室に一緒に入っていました。看護師や他の妊婦に注意されたこと多数。夫にとっても非常に嫌な時間だったようです。
それから、日本だと診察の度にあるエコーが、中国では数えるほど。2,3回だったと思います。そして、性別は教えてもらえません。私は、妊娠中に日本に一時帰国し、日本の産婦人科で性別を教えてもらいました。
言葉の問題
中国で出産する場合、基本、中国での診察です。病院によっては、英語や日本語を話す医師もいるでしょうが、かなりの少数だと思います。
中国語が苦手な場合は、言葉の問題が大きなデメリットとなると思います。
妊娠・出産は特別なことですし、専門用語も多くなります。日常会話は問題がないような人でも、それらの専門用語となると一筋縄にはいかないこともあります。日本で、日本語で診察を受けていても、すぐに理解できない専門用語って多いですしね。それが中国語となったらなおさらです。
医療レベルの問題
日本と中国、一言でどらちの医療レベルが上とか下とかは決めきれない部分もあるかと思いますが、日本だったら難なく対処できたことが中国だったから、ということはいろいろとあると思います。
私自身は、中国で特に問題なく出産することができたので、この医療レベルの違いが問題になることはありませんでしたが、他の日本人女性の話を聞いたり、ブログなど見たりしていると、「日本だったら大丈夫だったのに、中国だったから…」ということは少なからずあるようです。
妊娠期に不安を感じて、急きょ、日本に帰国して、日本での出産を選択した、という人もいるようです。妊娠・出産は人の命がかかっていることですから、医療レベル云々だけでなく、不安を感じるようでしたら日本での出産を選択した方が良いかもしれませんね。
産後すぐに手伝いが必要
中国では出産直後から手伝いが必要となります。
日本の場合は、一人で産院に入院していても、大きな不便はないと思います。食事は出ますし、赤ちゃんのお世話も産後のお世話も、病院側でしてくれます。退院してからが大変だから、入院しているうちは病院のスタッフに甘えてゆっくり休んで、というところはあります。
でも、中国は違います。
出産直後から、赤ちゃんのお世話も産後ママのお世話もそれぞれの範疇になります。病院側が何かのお世話をしてくれることはありません。食事も、毎回注文すれば出してもらえますが、自宅で作って持ち込む人も少なくありません。おむつ交換も授乳も、すべてそれぞれでこなさなければなりません。
そのため、家族が寝泊まりしたり、お手伝いさんを雇ったりしてお世話をしてもらいます。
実家(実両親)に頼れない
中国で出産となると、日本で出産する時のように実家の両親に頼れないこと多いです。
中国の生活や環境に慣れていて、中国語もできるご両親ならば良いですが、ほとんどの方はそうではないでしょう。外国に来て、娘や孫の世話をするというのは容易なものではありません。
買い物も満足できなかったり、近所への外出すら難しかったりしますから、お世話をして欲しい産後ママが逆に両親のお世話で疲れてしまう、ということにもなりかねません。
私自身も、そういったことを避けるために、基本的に夫と二人で乗り切りました。夫の両親にも頼りませんでした。やはり、感覚や習慣の違いから、きっとうまくはいかないと思いましたので、丁重にお手伝いを断りました。
日本でも、夫婦だけで乗り切る家族は多いですので、やってやれないことはありません。誰かの助けが必要ならば、専門のお手伝いさん(月嫂)を雇うのが良いかな、と思います。
嫌日家の医療従事者による嫌がらせ
これは本来、あってはならないことなのですが、担当の看護師などに嫌日家がいると嫌がらせを受けてしまうことがあります。
実は私もありました。
出産後、悪露を出すためにお腹をグイグイと押されたのですが、それがものすごく痛くて、雑な対応だったのです。あまりの痛さに私は悲鳴をあげ、夫はその看護師に抗議をしましたが、それでも、その時には、「なんて雑な看護師なんだ」、と思ったくらいだったのです。
しかしながら、入院期間に数度その看護師が回ってきましたが、いずれも対応は雑。後々、夫の話によると、「あれは嫌日家でわざとやったんだろう」ということでした。
他の医師や看護師はそんな対応は全くなく、むしろ、外国人だからより親切丁寧に接してくれた印象が大きかったので、「嫌日家だから…」と聞いて非常に驚きました。でも、稀にあることのようです。
中国で出産、メリットとデメリット まとめ
中国での出産には、メリットもあれば、デメリットもあります。
私は、中国と日本で出産を経験していますが、やはり生活し慣れている日本での出産の方が快適ではありましたが、中国での出産も悪くはない、と思います。
特に、中国国籍を保有したい場合は、中国での出産が必須となりますが、大きな妊娠トラブル等がなければ、どうにかなることが多いです。