一人で2つの名前があるって? ハーフの名前事情についてお話します

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国籍の異なる両親から生まれたハーフの子の名づけ。一人で2つの名前を所有する子もいるのです。

名づけはやっぱり大変!

子どもが生まれる時に親からの初めてのプレゼントは「名前」と言われますが、画数や運勢、親の名前から一文字とってみたりと、まさに親の愛と思いがつまっていると言えます。さらに、ハーフとなれば、名づけはさらに親として悩むところだと思います。子どもが両親の両方の国籍を所持する「二重国籍」である場合、名前を日本名と2つにするのか、ミドルネームもつけるのかなどなど。

しかし、最近では、いわゆる「キラキラネーム」のような奇抜な名前や欧米の外国人風の名前に漢字を当て読みさせたりと名づけも格式や形式にとらわれない多種多様で自由になりつつあります。これについては、賛否両論の声も多いですが、ハーフの名前も日本でも外国でも共通して使える名前を付けやすくなったと言えるかも知れません。

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パスポートに別名として外国名を併記することもできる

ミックスクラブ3 (2)

ハーフの場合、ミドルネームを持っていたり、日本名と外国籍での名前が異なる人もいることと思います。そこで、「2つのパスポートの名前が異なるけど、同一人物である。」ということを証明するために日本のパスポートにミドルネームや外国籍での名前を「別名」として併記することも可能です。

もちろん、別名併記はハーフだけのケースに関わらず、国際結婚、移住者、長期滞在者、留学上などさまざまな理由で滞在先の海外で現地での名前を使用している場合なども正当と認められれば別名を併記することが可能です。ただし、これはパスポートを申請する各都道府県の申請窓口、海外であれば各在外公館(大使館または総領事館)に於いて確認した上での申請をしてください。

パスポートを申請する時に、別名例えば「日本太郎」という日本人とアメリカ人のハーフの子がいます。日本名は「日本太郎」、アメリカでは「Bob Brown(ボブ・ブラウン)」という名前を名乗っていたとします。この場合、日本のパスポートには姓である「NIPPON」の横にカッコ書きで(BROWN)、名前の「TARO」の横に同じくカッコ書きで(BOB)という具合で表記されます。

名前が一つでないことの戸惑いも

ミックスクラブ3 (3)

これまでにもハーフに関わる「言葉」や「国籍」などのイメージとして、世間一般で「自然とバイリンガルになれてうらやましい。」「二重国籍でパスポートが2つもあってかっこいい。」と言われていることもお伝えしてきましたが、「ハーフの名前」についても例には漏れず、やはり、「一人の人間でありながら複数の名前を持つ」ということに「不思議な感じ」とか、「外国名もあるなんて素敵」というハーフへの羨望感のような感覚を持っていることがうかがえます。

1990年代後半~2000年代初めにかけて人気を博した音楽ユニットのGlobeでラップ担当のマーク・パンサーさん。彼もお父さんが「フランス人」、お母さんが「日本人」のハーフです。フランスで生まれた彼は、幼少の頃には日本に移住したものの、フランス系のインターナショナルスクールに通っていたため、日本語、フランス語、英語が話せるトライリンガルでもあります。そんな彼が、かつて、テレビで語っていた体験が印象的です。ある日、病院で診察の順番待ちをしていて、「酒井龍一さ~ん!」と自分の日本名を呼ばれてもピンと来ず、何度目かでやっと「あっ、俺のことか!」と気づいて慌てて立ち上がったという話です。会場で話を聞いていた人たちもMCも大笑いでしたが、ハーフの人たちにとってはよくありがちなことなのかもしれません。

私の子どもたちもハーフであるため、日本名と父親の姓である外国名の2つの名前を持っています。現在は生活拠点が父親の国であるため、普段は日本名は使用していません。ところが、日本に行くと、周りの人たちは日本名で呼ぶため、本人たちは、戸惑いのような不思議な顔をしますね。

実際に2つの名前を持っていたとしても、普段、呼ばれている名前に親しみや愛着がわくのは自然なことだと思いますし、生活する場所が、日本であるか、海外であるかによって便宜上、使用する名前も違ってくると言えるでしょう。

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まとめ

1 ハーフの名づけにあたっては、特別な規則などはないため、ミドルネームをつけるか、両親の国籍に合わせて日本名と外国名の2つを持つかは両親の考えによって決めることができます。

2 日本名と外国名、その他、ミドルネームなどを持つ場合、パスポートに同一人物であることを示すために別名併記をすることもできます。

3 ハーフである本人たちにとっては、やはり、自分の生活のベースとなっている土地で呼ばれ慣れている名前に親しみを持つようです。

名前とは一生付き合うものであるから故に、やはり、ハーフの子どもたちにとっても違和感なく親しめる名前をつけてあげたいものですね。

(コラム:Mさん●韓国在住、日本と韓国のハーフを育てるママさんライター)