日本で出産すると中国国籍は取得できるのでしょうか?
少し前までは、中国人と日本人の国際結婚の場合、中国国籍が欲しければ中国で出産するしかないと言われていました。そのため、我が家も、一人目は中国国籍欲しさに中国で出産したほどです。
また、日本で出産すると、国際結婚の日中ハーフの場合は中国国籍はもらえず、日本国籍になると言われていました。手続きの仕方で中国国籍をもらえる方法もあるという情報がありましたが、それはあくまでも正当な方法ではなく裏技的なものと言われていました。
ですが、近年、どうやら変わってきたよう です。
Contents
日本で出産すると中国国籍をもらえなかったのは何故?
本来中国では、中国人同士の子供の場合は中国以外の国で生まれても中国国籍を与えますが、国際結婚の場合は中国以外の国で出産すると中国国籍は与えないのです。
そのため、日本で出産すると、中国と日本の国際結婚の場合は中国国籍はもらえず、日本国籍のみとなってしまうのです。
その理由から、中国国籍を取得したい日中国際結婚夫婦は、中国での出産を選択していました。
日本生まれのハーフは、中国へ行くと中国国籍があるとみなされる
日本で生まれた日中ハーフは、中国国籍は保有せず、日本国籍のみとなります。そのため、中国に行く時には、日本人として日本のパスポートでの渡航となります。
しかし、中国に長期滞在するとなると、片親が中国人だから中国国籍があるとみなされ、居留許可証を発行してもらえなかったりするのです。そこで多くのご夫婦が、「え!?日本で生まれたから、中国国籍はないけど?」と思うんですよね。
つまり、日本生まれの日中ハーフは中国に長期滞在するにはビザや居留許可証が必要なく、出国する場合は中国生まれの日中ハーフ同様に通行証が必要となるのです。
非常に矛盾しているように思うのですが、管理している管轄が異なったりすると、解釈や判断が異なってしまうというのは、中国では本当によくあることなんですよね。
それから、地域によっても解釈や判断が異なることも多々ありますので、何かの手続きをする際には必ず管轄の機関にしっかりと確認することが重要です。ケースによっては、担当者で対応が変わることもありますので要注意です。
中国の国籍と戸籍の違い
中国において、国籍と戸籍は扱いが異なるものです。中国国籍があるからといって、中国国内で何事も平等に同じように対応してもらえる訳でもないですし、また、簡単に戸籍を移動・変更できるものでもありません。
日本であれば、理由があれば戸籍(本籍地)を移動・変更できたりしますが、中国ではそうはいかないのです。
例えば、北京や上海などの大都市に住んでいても、北京や上海などのその土地の戸籍がある人と、地方の戸籍しかない人では、生活のしやすさや住み心地が全く異なる と言っても過言ではなりません。受けられるサポート・サービスなど全く異なるのです。
戸籍には農民戸籍と都市戸籍がある
もっと細かいことを言うと、中国の戸籍は、農民戸籍と都市戸籍という2種類があります。9億人が農民戸籍、4億人が都市戸籍となっているのです。実は、ここにも大きな差が生じているのです。
北京や上海などの大都市で暮らすならば、その土地の都市戸籍を持っている中国人との国際結婚の方が便利でお得なことが多く、住みやすい環境を得られやすいです。
けれど、農村部の中国人の感覚としては、必ずしも都市戸籍が良いようでもないようで、農民戸籍には農民戸籍の良さもあるようです。数年以内にこの戸籍による差別がなくなるとも言われていますが、喜ぶ中国人もいれば困る中国人もいるようです。
国際結婚で日中ハーフを出産する場合、中国国籍だけでなく、中国人パートナーがどこの戸籍で都市戸籍なのか農民戸籍なのかもきちんと確認をして上で、出産する場所を検討すると良い と思います。
日本生まれでも中国の戸籍をもらえるようになった
中国人との国際結婚の場合、日本で出産すれば日本国籍のみで、中国国籍は取得できないと言われていましたが、どうやら、異なる動きが出てきたようです。
中国に住む知人の話によると、日本で出産した子の北京戸籍が取得できたケースがいくつかあるそうです。前述しましたが、日本で日中ハーフを出産すれば日本国籍のみになるのですが、中国に長期滞在すると、「片親が中国人ならば、中国国籍を保有する」とみなされることが多いのです。
でも実際は、だからと言って北京戸籍や上海戸籍を取得できるかと言えばできなかったのです。そのため、非常に矛盾した状態で、いちいち何かを手続きする度に、対応に困ることが多かったのです。
それが、ここ数年のうちに、日本で出産した日中ハーフの子が数人、北京戸籍を取得できた というのです。これは非常に革新的なことです。
その背景に、一人っ子政策の廃止、二人っ子に緩和された動きがあるようです。また若者が減ってきていることで、中国国籍を保有する子を増やしたい、という中国政府の意向があるとかないとか。
そのため、この先もずっと中国で生活していく国際結婚家庭では、日本生まれのハーフの子に中国の戸籍を取得させるように動いている日本人配偶者も少なくないそうです。
日本で出産しても中国国籍は必ずもらえる?
日本で出産しても中国国籍(戸籍)をもらえるケースが出てきたと言え、正式に文書などで公表されていることではないようですから、必ずもらえる、とは断言できなそうです。
そのため、どこの地域でも中国の戸籍が取得できるのか不明ですし、いつまでこの対応が通用するのかも不明のようです。
中国のことですから、地域やタイミング、担当者レベルで対応が全く異なることもあり得ます。昨日まで許可されていたことが、今日になったら許可がおりなくなることもあります。
そのため、気になる方は早急に情報を集めて、希望する方向に動くことが大切だと思います。
日本で出産、中国国籍は取得できる? まとめ
本来、日本で出産すると中国国籍は取得できず、日本国籍のみになると言われていました。そのため、中国国籍を保有したいがために、中国での出産を選択する日本人女性も少なくありません。我が家もそうです。
それから、中国に長期滞在する時などは、日本で出産しても、片親が中国人ならば、日中ハーフは中国国籍を保有していると捉えられることもありますが、中国戸籍は取得できませんでした。
それが、最近の中国では、日本で生まれた日中ハーフの子に中国戸籍を与えているケースが発生しているそうです。ということは、日本で出産しても中国国籍(戸籍)がもらえる、ということになります。
でも、地域やタイミング、担当者によって対応が異なることがありますので、国籍と出産場所を決める際にはしっかりと情報収集して、出産場所を決定することが大切です。