中国人男性と結婚すると名字はどうなるのでしょうか?
日本人同士の結婚の場合は、夫婦どちらかの名字に統一されます。ほとんどが男性側の名字となり女性が改姓しますが、もちろん女性側の名字に男性が改姓することも可能。日本人には日本戸籍があり、結婚すると夫婦で一つの戸籍となりますから、名字は統一されるのです。
しかし、配偶者が外国人となる場合はどうでしょうか?
実は、外国人には日本戸籍が存在しないため、日本人同士の結婚とは異なる法律が適用されるのです。
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中国人男性と結婚した場合の名字パターン
中国人男性と結婚した場合の名字パターンは2つあります。
夫婦別姓でそれぞれの姓をそのまま名乗るパターンと、中国人男性の姓に統一するパターンです。
夫婦別姓
日本人同士の結婚の場合は、夫婦別姓は認められていませんが、国際結婚の場合は夫婦別姓で問題ありません。 何の手続きもしなければ、夫婦別姓となります。
ちなみに、我が家も夫婦別姓です。私は日本姓を名乗り、夫は中国姓を名乗っています。初めこそは、結婚しても改姓しなかったのでちょっとした違和感がありましたけど、パスポートや銀行などの改姓手続きをする必要が一切なかったのが良かったです。
また、結婚をしているけれど旧姓のままなので、配偶者が外国人と知らない人には、婿を取ったのか、もしくはすでに離婚しているのか、勘繰られることもあります。どちらでもないんですけどね。
そして、配偶者が外国人ならば夫婦別姓で良いということを知らない人も多いので、「え?なんで?」「そうなんだ!知らなかった」と言われることも多いです。
国際結婚してもう10年経つので、夫婦別姓に何も違和感がないですが、これから国際結婚する人にとっては抵抗がある場合もあるかもしれませんね。
中国人男性の名字に統一
国際結婚で名字を統一する場合には、中国人男性の名字に統一する方法があります。
「外国人との婚姻による氏の変更届(107条2項の届)」を提出することで、外国人配偶者の名字に改姓することができます。本来、国際結婚の場合は夫婦別姓が認められていますから、名字を統一するには、この届出を別に提出する必要があります。
中国人の名字の場合は、日本と同じ漢字と日本にはない漢字があります。例えば、王や張ならば日本語にもある漢字ですから、そのまま登録が可能です。読みは、日本語読みで、王(オウ)、張(チョウ)でも、中国語読みで、王(ワン)、張(ジャン)でもどちらでも可能です。
もし、日本語にない漢字の名字の場合は、カタカナでの登録になります。
日本人女性の名字に統一はできない
国際結婚の場合は、外国籍の配偶者の名字を日本人配偶者の名字に改姓することはできません。外国人には日本戸籍がありませんので、外国籍のまま日本戸籍に入ることは不可能なのです。
そのため、中国人男性と結婚した場合も、中国人男性が、日本人女性の名字に改姓することはできません。
けれども、通名として日本人らしい名前(日本人配偶者と同じ名字の名前など)を登録することは可能 です。通名はニックネームのような軽いものではなく、住民票や運転免許証にも載る法律上でも有効な名称となります。
外国人配偶者の名字に変更する場合の名前パターン
外国人配偶者の名字に変更する場合には、いくつかの名前のパターンがあります。相手が中国人の場合は、日本の姓名のように、そのまま名字を改姓するだけのパターンが多いですが、実はそれだけではないのです。
・リュウ 奈々子
青木という名字を、リュウに改姓する
・リュウ 青木奈々子
リュウを名字にして、青木奈々子を名にする
・リュウ青木 奈々子
リュウと青木をくっつけて名字にする
ミドルネームがある場合は、ミドルネームを入れることも可能です。
結婚後に、中国人男性の姓に改姓するには
結婚後に、中国人男性の名字に改姓することも可能ですが、結婚から6ヶ月経っているかどうかで手続きが異なります。
結婚(婚姻)6ヶ月以内ならば簡単
婚姻届を出してから6ヶ月以内ならば、「外国人との婚姻による氏の変更届(107条2項の届)」の提出 をすれば、中国人男性の名字に改姓することができます。
結婚(婚姻)6ヶ月超えていれば家庭裁判所の判断
婚姻届を出してから6ヶ月を超えていれば、家庭裁判所の許可が必要 となります。許可されれば、「氏の変更届」の提出をすることになります。
日中ハーフの名字はどうなる?
日中ハーフが生まれた場合、名字はどうなるのでしょうか?
日本戸籍になるので母親の名字
日本国籍の場合は、日本人の日本戸籍に入ることになるので、日本の名字を名乗ることになります。よって、中国人男性と日本人女性の国際結婚の場合は、母親の名字となります。
中国名と日本名で異なってもOK
日中ハーフで、中国国籍を保有していて、日本国籍留保という場合には、名字は中国名と日本名で異なっていても問題ありません。
我が家の長女は中国生まれですので、出生時の中国名では、中国人夫の中国姓となっていますが、日本に出生届を出す際には私の日本姓で提出しています。そのため、中国名と日本名で姓が異なっています。
ちなみに、日中ハーフの場合、姓だけでなく、名前を日本名と中国名で異なっていても問題ありません。
子供だけ中国人夫の名字を名乗るには?
夫婦別姓の中国人男性と日本人女性の国際結婚の場合、日中ハーフが生まれれば日本では日本人女性の名字を名乗ることになりますが、手続きを行うことで、子供が中国人夫の名字を名乗ることができます。
家庭裁判所に「氏変更の申し立て」をして、許可されれば、子供は中国人夫と同じ名字となり、子供の戸籍は単独戸籍となります。
その場合、中国人の父親とは同じ名字になりますが、日本人の母親とは別の名字となります。日中ハーフの兄弟姉妹で、名字が異なることも可能です。
中国姓で後悔することも多い?
中国人男性と結婚して、結婚と同時に中国姓に改姓をして、実は後悔している日本人女性が多いようです。実際に私の周りにもいます。
日本人同士の結婚の場合は、大抵男性側の名字に改姓しますので、国際結婚だとしても何の抵抗もなく中国姓に変更してしまう日本人女性が多いのです。夫婦別姓に違和感があり、夫婦ならば同じ姓が良い、と思う人も多いのです。
ですが、中国は日本と同じ漢字ではあるものの、やはり、中国人っぽい名字となるので不便も出てきてしまうのです。一番多いのは、名乗った時に中国人と間違われたり、国際結婚で相手が中国人であることが知られてしまったりする ことではないでしょうか。
国際結婚も、相手が中国人あることも、何も悪いことでも隠し通すようなことでもないのですが、人によっては国際結婚や中国人、中国に偏見を持ち差別する人もいます。言う必要がないならば言わないでおきたい時もあるはずです。
また、自分だけならまだしも、子供もそうなるので後悔がより大きくなるようです。
ハーフは、ただでさえいじめやからかいの対象になりやすいです。日中ハーフで、母親が日本人であれば、言わなければハーフだと分からないことが多いのですが、名字が中国姓であることで、すぐにハーフだとバレますし、中国人と勘違いされることもあるのです。
私自身は夫婦別姓を貫いていますが、今のところ後悔したことはありません。特に不便もありません。国際結婚で、外国人配偶者の名字に改姓する場合は、いろいろなことを考慮してから決めた方が良いと思います。
中国人男性と結婚すると名字はどうなるの? まとめ
中国人男性と結婚すると、日本人同士の結婚とは異なり、国際結婚では夫婦別姓が認められています。
夫婦で名字を統一したい場合は、日本人女性の名字に統一することはできず、中国人男性の名字を選択することになります。日本語と共通の漢字の場合は、漢字で登録ができ、読みは日本語読みでも中国語読みでも可能です。日本にない漢字の場合はカタカナ登録になります。
また、夫婦別姓の場合、日中ハーフの名字は日本人の母親の日本戸籍に入りますので、日本姓を名乗ることになります。しかし、日本名と中国名で異なる名字にしたり、手続きをすることで子供だけ中国人の父親の名字にしたりすることも可能です。
それから、国際結婚によって安易に中国姓に改姓することで、後々不便が出てきたり、後悔したりすることがあります。ちなみに、私は夫婦別姓ですが特に不便が生じたことありません。名字の選択は、いろいろなことを考慮してから決めた方が良いです。